ま行
持戻し免除の意思表示
被相続人による特別受益者の受益分の持戻しを免除する意思表示。
持戻し免除の意思表示があれば、持戻し計算をすることは不要となる。
持戻し免除の意思表示は、特別の方式を必要とせず、明示、黙示のいずれでもよく、生前行為によるものでも、遺言によるものでも認められる。
持戻し免除の意思表示の推定規定
婚姻期間が20年以上の夫婦の一方が他の一方に対して、その居住用建物またはその敷地(居住用不動産)を遺贈または贈与したときは、持戻し免除の意思表示があったものと推定され、遺産分割については、原則として、居住用不動産の持戻し計算が不要となる制度。
配偶者の長年にわたる貢献に報い、配偶者の老後の生活保障に資することになる。
この配偶者に対する遺贈・贈与における持戻し免除の意思表示の推定規定は、平成30年の民法改正により設けられた規定であり(令和元年7月1日から施行)、改正法施行以前になされた遺贈または贈与については適用がない。