相続基礎知識 | 東京都千代田区の相続弁護士 菅野光明

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相続後の手続の期限は

相続に関わる手続は、被相続人が亡くなった時から開始しますが、重要な手続の期限について、期限のあるものの内容は、以下のようになっています。

死亡届の提出 7日以内

届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内にしなければなりません。
届出は、以下のいずれかの市区町村の役所・役場で行います。

  • 本人(被相続人)の本籍地
  • 届出人の所在地
  • 死亡地

届出義務者は次の順序で決まります。

  • ①同居の親族
  • ②その他の同居者
  • ③家主、地主または家屋若しくは土地の管理人

ただし、順序にかかわらず届出をすることができます。
死亡届には、医師が作成する死亡診断書(死体検案書)を添付しなければなりません。 死亡届と死亡診断書(死体検案書)はセットで1枚の用紙になっています。

相続放棄・限定承認 3か月以内

相続放棄の申述は、相続開始地(被相続人の最後の住所地)を管轄する家庭裁判所に行います。家庭裁判所は、申述者が相続人であるか、相続放棄の意思が真意によるものか、法定単純承認事由にあたる事実がないかなどを調査したうえで、申述を受理するかどうかを決定します。
限定承認の申述は、相続開始地(被相続人の最後の住所地)を管轄する家庭裁判所に行います。財産目録を作成して提出することが義務付けられています。共同相続の場合は、共同相続人全員が共同して行う必要があります。一部の相続人だけで行うことはできません。相続放棄をした者は初めから相続人ではなかったものとみなされるので、それ以外の共同相続人全員で申述することになります。
相続放棄、限定承認の熟慮期間は、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月なっており、この期間内に、単純承認、限定承認または相続放棄をしなければなりません。

準確定申告・納付 4か月以内

確定申告をしなければならない人が死亡したときは、相続人が被相続人の所得税の申告を行うことになり、これを準確定申告といいます。
相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に行わなければなりません。
被相続人が死亡した年の1月1日から被相続人の死亡日までの被相続人の所得について、相続人が所得税の申告・納付を行う必要があります。
確定申告をしなければならない人が翌年の1月1日から確定申告期限(原則として翌年3月15日)までの間に(例えば、2月15日に)、確定申告書を提出しないまま死亡した場合の準確定申告の期限は、前年分(死亡の前年の1月1日から12月31日までの分)、本年分(死亡した年の1月1日から2月15日までの分)とも相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内となります。

相続税の申告・納付 10か月

相続税とは、相続や遺贈、死因贈与によって財産を受け取った場合に支払う税金です。
遺贈や死因贈与では、財産を受け取る人は相続人だけとは限りませんので、相続人以外の人も相続税の課税対象となり得ます。
相続税の申告については申告書の提出義務がある者については、相続があったことを知った日の翌日から10か月以内に行わなければなりません。
被相続人の死亡時の住所が国内にある場合は、被相続人の死亡時の住所地が納税地となり、そこを管轄する税務署に申告書を提出します。
相続や遺贈で財産を受け取る者が複数いる場合は、通常は共同で申告書を提出します。
配偶者に対する相続税額の軽減や小規模宅地等の特例により結果的に相続税の納税額が0になる場合でも、これらの軽減や特例を使うためには申告書の提出が必要になります。
申告期限までに遺産分割の全部または一部が未了の場合には、各共同相続人や包括受遺者は、未分割の財産については、民法の規定による相続分や包括遺贈の割合にしたがって財産を取得したものとして課税価格を計算し、申告することになります。
申告期限内に申告書を提出した者は、申告書に相続税額に相当する相続税を申告期限までに納付しなかればなりません。相続税は、申告期限までに現金で一括して納付するのが原則ですが、一定の要件のもとに延納や物納という方法が認められることもあります。

遺留分減殺請求、遺留分侵害請求の行使 1年

被相続人の財産については、法律上、その取得が一定の相続人(兄弟姉妹以外の相続人、すなわち、配偶者、子、直系尊属、子の代襲相続人)に留保されていて、被相続人による遺贈や贈与などの自由な処分に対して制限が加えられています(遺留分)。
遺留分を侵害された者は、遺留分を侵害する遺贈・贈与を受けた者に対して、遺留分減殺請求、遺留分侵害請求をすることができますが、この請求権は、遺留分権利者が、相続の開始と減殺すべき若しくは遺留分を侵害する贈与または遺贈があったときを知った時から1年で、時効により消滅します。

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