遺産分割
遺産分割はどのような方法で進めていけばよいのでしょうか
遺産分割をどのような方法で行うかについては、
①協議分割(遺産分割協議)
②調停分割(遺産分割調停)
③審判分割(遺産分割審判)
があります。
手続は、①協議分割(遺産分割協議)→②調停分割(遺産分割調停)→③審判分割(遺産分割審判)と進んで行くのが通常です。
協議分割(遺産分割協議)
相続当事者の合意による遺産分割の手続です。
裁判外の合意によるもので、協議分割をするにあたっては、遺産に属する個別の財産について自由に分割の合意をすることができます。
遺産分割協議が成立したら遺産分割協議書を作成するのが通常です。
遺産の分割について遺産分割の当事者間で話合いがつかない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停または遺産分割審判の手続を利用することができます。
調停分割(遺産分割調停)
相続当事者のうちの1人もしくは何人かが他の相続人当事者全員を相手方として、家庭裁判所に遺産分割のための話合い(調停)を申し立てるものです。
申立てをすることができる人は、共同相続人、包括受遺者、相続分の譲受人です。
申立先の裁判所は、相手方のうちの一人の住所地の家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所となります。
遺産分割調停手続では,裁判所が、当事者双方から事情を聴き、必要に応じて資料等の提出を受け、遺産について鑑定を行うなどして、事情をよく把握したうえで、解決案の提示や解決のための助言を行うなどして、話合いが進められます。
調停が成立したときは調停調書が作成され、その後の遺産の名義変更等の手続は調書に基づいて行うことができます。
調停は、話合いの手続になります。
審判分割(遺産分割審判)
遺産分割調停で話合いがまとまらず調停不成立となった場合に、家庭裁判所で自動的に審判手続が開始されるものです。
遺産分割調停は不成立として終了しますが,引き続き遺産分割審判手続で必要な審理が行われた上,審判によって結論が示されることになります(審判書が作成されます)。
家庭裁判所は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質その他一切の事情を考慮して、審判を行うことになります。
(令和元年12月1日 弁護士菅野光明 記)