相続放棄・限定承認
Q
相続の承認・放棄の撤回は認められますか、取消や無効は
A
相続の承認・放棄の撤回
いったんなされた相続の承認または放棄の意思表示は、熟慮期間中であっても撤回は認められていません(民法第919条第1項)。
相続の承認・放棄の取消、無効
相続の承認・放棄も意思表示であることから、意思表示の瑕疵を理由とする取消や無効が認められます。
1 取消
制限行為無能力者であること、詐欺・強迫を理由とする取消が認められるほか、錯誤を理由とする取消も理論的に認められます(民法第919条第2項)。
限定承認や相続放棄の意思表示を取り消そうとする場合は、家庭裁判所に対して、限定承認や相続放棄の取消の申述をする必要があります(民法第919条第4項)。
2 無効
相続の承認・放棄の意思表示に意思表示の瑕疵以外の無効原因(方式違反、熟慮期間経過後の放棄等)がある場合も無効が認められます。
(令和2年1月13日 弁護士菅野光明 記)