遺産に属する特定財産の持分譲渡と共有関係の解消
遺産分割
1 遺産分割前の共同所有の法律関係 共同相続人が分割前の遺産を共同所有する法律関係は、基本的には民法249条以下に規定する「共有」とその性質を異にするものではないと解すべきであるとされています(最高裁判所昭和30年5月31日判決・民集9巻6号793頁)。 2 遺産分割前の共有関係解消の方法 遺産分割前の共有関係の解消については、共有物分割請求(民法258条)が許されず、遺産分割の審判手続によ...
遺産分割
1 遺産分割前の共同所有の法律関係 共同相続人が分割前の遺産を共同所有する法律関係は、基本的には民法249条以下に規定する「共有」とその性質を異にするものではないと解すべきであるとされています(最高裁判所昭和30年5月31日判決・民集9巻6号793頁)。 2 遺産分割前の共有関係解消の方法 遺産分割前の共有関係の解消については、共有物分割請求(民法258条)が許されず、遺産分割の審判手続によ...
遺産分割
1 相続分の譲渡 相続分の譲渡とは、相続人が、遺産全体に対する包括的な持分や法律上の地位を譲渡することをいいます。 したがって、被相続人にプラスの財産以外の債務があれば、それも引き継ぐことになります。 相続分の譲渡によって遺産全体に対する割合的持分が譲受人に移転し、相続分全部の譲渡の場合は、譲渡人は遺産分割手続から離脱することになります。相続分の譲渡は他の相続人以外にも第三者に対しても行うこ...
遺産分割
1 相続開始後の賃料債権は遺産か 遺産の中に賃貸不動産がある場合、相続開始後も賃料収入が発生し続けます。 遺産分割協議においては、相続開始後の賃料債権の帰属についても決められることは多いと思われますが、相続開始後の賃料債権の帰属について相続人間で合意が成立できない場合は、相続開始後の賃料債権は遺産そのものではないため遺産分割の対象にはならず、遺産分割審判において相続開始後の賃料債権の帰属につい...
遺産分割
1 相続分の譲渡とは 相続分の譲渡とは、相続人が遺産全体に対する包括的持分や法律上の地位を譲渡することをいいます。 相続分の譲渡によって遺産全体に対する割合的持分が譲受人に移転し、相続分全部の譲渡の場合は譲渡人は遺産分割手続から離脱します。譲受人が第三者である場合は遺産分割手続に新たに参加することになります。 このように相続分の譲渡は、相続財産に属する個別の財産の譲渡とは異なります。 2 ...
遺産分割
遺産分割事件の管轄 遺産分割調停や遺産分割審判を行う裁判所の管轄(土地管轄)は、法律上、以下のように定められています。 1 遺産分割調停事件 相手方の住所地を管轄する家庭裁判所(相手方が複数いて住所地が異なる場合はそのいずれか)または当事者が合意で定める家庭裁判所(家事事件手続法第245条1項)。 2 遺産分割審判事件 相続開始地(被相続人の最後の住所地)の家庭裁判所(家事事件手続法第1...