異順位の相続資格重複~先順位の相続資格喪失による影響
相続人の範囲と調査
1 異順位の相続資格重複の場合 異順位の相続資格が重複する場合は、重複する資格を同時に主張することはできないため、先順位の相続資格のみ認められます。 そこで、先順位の相続資格において相続資格を喪失した場合(相続欠格、廃除、放棄)に、後順位の資格で相続ができるかが問題となります。 A、B、X3人の兄弟姉妹のうち、AとXが養子縁組をした場合、Aの相続に関して、Xは、養子としての相続資...
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1 異順位の相続資格重複の場合 異順位の相続資格が重複する場合は、重複する資格を同時に主張することはできないため、先順位の相続資格のみ認められます。 そこで、先順位の相続資格において相続資格を喪失した場合(相続欠格、廃除、放棄)に、後順位の資格で相続ができるかが問題となります。 A、B、X3人の兄弟姉妹のうち、AとXが養子縁組をした場合、Aの相続に関して、Xは、養子としての相続資...
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1 民法第877条第2項 民法第877条第2項は、 「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。」 と規定しています。 民法第891条は、相続人の欠格事由を定めた条文です。 2 代襲者が養子で被...
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1 被相続人と相続人の同時存在の原則 相続人は、被相続人死亡時に生存していることが必要です(同時存在の原則)。 同時存在の原則は、代襲相続の場合にも適用され、代襲者は、相続開始時点、つまり被相続人の死亡時に生存していることが必要です。 2 胎児の場合は同時存在の原則の例外 民法第886条第1項は、「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。」と規定しており、胎児...
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1 養子縁組の無効原因 養子縁組の無効原因として、民法第802条第1号は「当事者間に縁組をする意思がないとき」をあげています。 養親子関係を形成する意思(実体的意思・実質的意思)が実際になければ、養子縁組は無効になると解されています。 この考え方(実体的意思説)によれば、他の目的を達するための便宜的手段として養子縁組の形式が用いられているに過ぎない場合には、「当事者間に縁組をする意思がないと...
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【相続資格が重複する場合の例】 上の図のように祖父Aと孫の甲とが養子縁組をした場合を例として考えます。 1 Bが死亡の場合(Bを被相続人とする相続) 甲の父Bが死亡した場合の相続について、甲は、 ①Bの子としての資格 ②Bの兄弟(養子による兄弟)としての資格 をあわせて持つことになります。 (縁組による親族関係の発生) 第七百二十七条 養子と養親及びその血族との間においては...