相続放棄をすべきかどうか判断がつかないとき
相続放棄・限定承認
1 熟慮期間は3か月 相続関係の事件を処理していて感じるのは、相続放棄をすべきかどうかの適切な判断は、3か月の期間制限もあって、弁護士がついていたとしても難しいのであろうということです。 被相続人に資産はあるが、多額の借金を抱えていたので、資産よりも多くの負債を相続することになる危険を避けるために、相続放棄を選択するということがあります。 しかし、実際に、債務を調査し、相続財産を換価してみる...
相続放棄・限定承認
1 熟慮期間は3か月 相続関係の事件を処理していて感じるのは、相続放棄をすべきかどうかの適切な判断は、3か月の期間制限もあって、弁護士がついていたとしても難しいのであろうということです。 被相続人に資産はあるが、多額の借金を抱えていたので、資産よりも多くの負債を相続することになる危険を避けるために、相続放棄を選択するということがあります。 しかし、実際に、債務を調査し、相続財産を換価してみる...
遺産の範囲と調査
1 遺産分割前の共有遺産の管理に要する費用 被相続人が死亡した後、共同相続人のうちの1人が、例えば、遺産に属する不動産の固定資産税を支払ったりしながら、遺産分割までの間、遺産を管理している場合があります。このような場合、共同相続人のうちの1人が遺産の管理のために支払った費用は後日、遺産から支払われるのでしょうか。 これに関する条文としては民法第885条があり、それによれば「相続財産に関する...
遺産の範囲と調査
1 相続財産に関する費用の相続財産からの支出 民法第885条は、「相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する。」と規定しています。 相続財産に関する費用は相続財産とは別個のものであるため遺産分割の対象とはなりませんが、その償還債務は相続債務に準ずるものとして各相続人が相続分に応じて負担することになります。 もっとも、相続人全員の合意があれば、遺産分割手続の中で清算することは可能です。 ...
遺留分
1 遺産分割において取得すべき財産の価額の控除 遺留分の侵害がある場合においても、遺贈等の対象とならない遺産が残されており遺産分割が行われるときは、遺留分侵害額の計算をするにあたり、遺留分権者の遺留分額からその者が遺産分割において取得すべき遺産の価額が控除されます。 遺留分制度が被相続人の財産に対する遺留分権者の最低限の取り分を確保する制度であることによります。 遺留分侵害額の計算につい...
相続放棄・限定承認
1 相続放棄と生命保険金 相続放棄をした、または、これから相続放棄をする予定であるが、被相続人が特定の相続人を保険金受取人とする生命保険をかけていた、あるいは単に保険金受取人を「相続人」とする生命保険をかけていた場合、保険金受取人となる相続人が生命保険金を受け取っても問題はないのかということを疑問に感じる場合があると思います。 また、民法第921条は法定単純承認事由というものを定めており、相続...