遺留分減殺請求と価額弁償
遺留分
1 平成30年改正前民法の遺留分減殺請求における現物返還主義 以下に述べることは、平成30年改正前の民法(相続法)が適用される令和元年7月1日よりも前に相続が開始した事案にあてはまる内容です。 令和元年7月1日以降に相続が開始した事案(平成30年の改正民法(相続法)が適用されます)にはあてはまりませんので、ご注意ください。 最高裁昭和51年8月30日判決(民集30巻7号768頁)は、遺留...
遺留分
1 平成30年改正前民法の遺留分減殺請求における現物返還主義 以下に述べることは、平成30年改正前の民法(相続法)が適用される令和元年7月1日よりも前に相続が開始した事案にあてはまる内容です。 令和元年7月1日以降に相続が開始した事案(平成30年の改正民法(相続法)が適用されます)にはあてはまりませんので、ご注意ください。 最高裁昭和51年8月30日判決(民集30巻7号768頁)は、遺留...
遺産分割
1 相続分の譲渡とは 相続分の譲渡とは、相続人が遺産全体に対する包括的持分や法律上の地位を譲渡することをいいます。 相続分の譲渡によって遺産全体に対する割合的持分が譲受人に移転し、相続分全部の譲渡の場合は譲渡人は遺産分割手続から離脱します。譲受人が第三者である場合は遺産分割手続に新たに参加することになります。 このように相続分の譲渡は、相続財産に属する個別の財産の譲渡とは異なります。 2 ...
遺言
平成30年7月6日に成立した民法改正と同時に、法務局における遺言書の保管等に関する法律(遺言書保管法)が成立し(同月13日公布)、法務局という公的機関で遺言書を保管する制度ができました。法務局における遺言書の保管及び情報の管理に関して必要な事項については、法務局における遺言書の保管等に関する政令(令和元年12月11日公布)が定められています。 この制度は、令和2(2020)年7月10日から施...
後見・保佐・補助
法定後見制度と任意後見制度が競合したときに、両者の関係がどのようになるかが問題となります。 結論から言いますと、この点は、任意後見契約に関する法律において、(1)法定後見人と任意後見人とが同時に併存することは認めないこと、(2)任意後見制度が原則的に法定後見制度に優先することとして、両制度の調整が図られています。 このうち(2)の任意後見制度優先の原則は、任意後見制度による保護を選択した本...
相続人の範囲と調査
【相続資格が重複する場合の例】 上の図のように祖父Aと孫の甲とが養子縁組をした場合を例として考えます。 1 Bが死亡の場合(Bを被相続人とする相続) 甲の父Bが死亡した場合の相続について、甲は、 ①Bの子としての資格 ②Bの兄弟(養子による兄弟)としての資格 をあわせて持つことになります。 (縁組による親族関係の発生) 第七百二十七条 養子と養親及びその血族との間においては...