養子縁組により複数の親族関係が生じ相続資格が重複した場合
相続人の範囲と調査
1 養子縁組による複数の親族関係の発生 養子縁組により複数の親族関係が発生することがあります。 具体的には、以下のような場合です。 (1)孫養子の場合 甲の子がAとB、Aの子Xの場合において、甲を養親、Xを養子とする養子縁組(孫養子)をすると、 ①甲とXの間には、 (ⅰ)祖父母と孫(直系血族2親等) (ⅱ)養親と養子(直系血族1親等) の2つの親族関係 ②AとXの...
相続人の範囲と調査
1 養子縁組による複数の親族関係の発生 養子縁組により複数の親族関係が発生することがあります。 具体的には、以下のような場合です。 (1)孫養子の場合 甲の子がAとB、Aの子Xの場合において、甲を養親、Xを養子とする養子縁組(孫養子)をすると、 ①甲とXの間には、 (ⅰ)祖父母と孫(直系血族2親等) (ⅱ)養親と養子(直系血族1親等) の2つの親族関係 ②AとXの...
特別受益
1 生命保険金が遺産分割の対象となる相続財産に含まれないことによる問題 生命保険金は遺産分割の対象となる相続財産に含まれません。 そこで、相続人の中に生命保険金を受け取った相続人がいる場合、他の相続人との公平の観点から、受け取った生命保険金を民法第903条の特別受益(遺贈又は生計の資本としての贈与)としていったん相続財産に持ち戻して、具体的相続分の計算をすべきかどうかという問題があります。 ...
遺産の範囲と調査
1 法律上の取扱いと税務上の取扱いの異なるもの 法律上の取扱いと税務上の取扱いの異なるものとして、被相続人を被保険者として生命保険がかけられていた場合に、被相続人が死亡したことにより支払われる死亡保険金の取り扱いがあります。 2 法律上の取扱い (1)死亡保険金は相続財産に含まれるか 相続人を受取人とした生命保険金が相続財産となるかという問題があります。 法律上の取扱いについては、最高裁...
遺言
1 「相続させる」趣旨の遺言における対抗要件主義の採用 平成30年の改正民法(相続法)は、従来の判例法理を変更し、「相続させる」趣旨の遺言(特定財産承継遺言)についても、法定相続分を超える部分については、登記等の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗できないものとしました。 第899条の2 第1項 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第901条の規定に...
遺言
1 「相続させる」趣旨の遺言 例えば、「遺言者の長男Aに甲土地及び乙建物を相続させる。遺言者の二男Bに丙土地を相続させる。」など「相続させる」という表現の遺言がよくみられます。 これは、いわゆる「相続させる」趣旨の遺言と言われ、平成30年7月6日に成立した改正民法(相続法)では、「特定財産承継遺言」(遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の1人又は数人に承継させる旨の遺...